陰間茶屋
「いらっしゃいませ、どうぞごゆっくり。さぞお疲れでしょう、休んでいって下さいな」 どこにでもあるような茶屋。軒先ではなく、奥に行く客は、ちょっと「特別」な客。 |
「今日もお客が来られた・・・」 美青年は何処か憂いの表情。 着ている服は、女人のそれ。 店主の呼ぶ声が聴こえる。 自分の本当の仕事がこれからやってくる。 |
茶屋の中。 薄暗い奥の奥の部屋。 「どうぞこちらへ・・・」 青年が案内するのは、さらに奥の陰間の場。 |
ここは江戸の、陰間茶屋。 青年は、客の「相手」をする、茶屋の隠れた存在。 女人のような麗しい少年青年は、特に好まれる。 |
鏡の中の己を見つめ、手を合わせてみても、伝わるのは冷たい感触。 |
「どちらが己でどちらが虚像なのか・・・」 憂いの表情のまま、青年は呟く。 |
奥の奥の陰間の場。 青年の生きる道は暗い場所。 憂いの表情もまた良しと、客が途絶える日はないという。 |
ここは江戸の陰間茶屋。 ちょっと「特別」な客が訪れる場所。 そしてこの青年は 陰間茶屋の間でもちょっと有名な存在。 憂いの表情。囚われの身。そうする必要もないのに女装をし、そして客の相手をする。 「明日も見ぬ我が身なれば、いっそ誰にでも委ねよう。 それしか生きる道を知らないのだから」 |
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